【MUJI式 世界で愛されるマーケティング】読書メモ。"選択と集中をしない"という方針。
無印良品の商品やコンセプトへの独自のこだわりや考え方など詳しく解説され読みやすい本。選択と集中をしないという点が面白い。
▪︎目次
無印はブランドではなく「コンセプト」
一般のブランドは他社と異なる自分のブランドをデザインする、MUJIはそれ以外というポジションにある。それ以外を市場にしている”MUJI”は文化の壁も関係なく広がりやすく、シンプルゆえに時間が経過しても飽きがこない。ブランドのポジショニングが秀逸。
最大公約数的な商品をつくる。
「これがいいではなく、これでいい」※妥協ではない!。
自社ブランドで商品開発する場合、ターゲットとするユーザー層に刺さるような内容に寄せてマーケティングを進めるのが一般的が、MUJIは逆だ。これでいいか、よくないか線引きは難しいが「個性の一歩手前、かつ合理的であること」がポイントだそうだ。
個性を追求しすぎるとそこにある市場は小さくなってゆく。最大公約数をもとめ、合理的で普遍的な商品展開をするMUJIのロジックは非常に合理的。
断捨離や、少ないものですっきり暮らすミニマリストがブームになるように、不要なものは捨てたりリサイクルしたり、家庭の中に昔ほどものが残り続けることは難しくなってきている。そんななか「どの部屋にもなじむ」「家族とも共有しやすい」MUJIの商品は、比較的残りやすい。
わけを伝える。
「どうしてこうゆう商品なのか?を伝える」ことを重要視している、商品名もわかりやすい。おち綿ふきん(紡績工場に落ちた綿)や、からだにフィットするソファ(通称 ひとをダメにするソファ) など。ストーリーをタグで説明。
MUJIのコンセプトはは水墨画とも通じる
水墨画の余白は、鑑賞者とともに芸術を完成させる可能性を表したもの。無印良品のシンプルさと通じるものがある。
選択と集中はしない
マーケティングで定石と思われる選択と集中はしない。無印良品が展開する商品ラインナップははば広く、衣料品、食品、文房具に家具から最近ではライフスタイルの提案の延長として家やキャンプ場、里山の稲作までとカテゴリーを集中したような戦略はとっていない。勿論商品レベルでは一定スパンでの新商品や入れ換えは行われているが。
「最大公約数的な商品を作る」という点は無印良品は徹底している。