【考具(こうぐ)】の読書メモ。
読書
有名な本なので、読まれた方も多いと思いますが… 『考具 考えるための道具、持っていますか? (加藤昌治) 』ご存知でしょうか? ※読み方は 考具(こうぐ)。
改めて良書だと感じたのでポイントを簡単にまとめます。
- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 37人 クリック: 305回
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◼️目次
広告会社の人が、どんどん新しいアイデアを出していく感じ、仕事で過去関わったこともありますが、ちょっと自分には無理だー。。とかすぐ思ってしまうのですが、この考具という本の冒頭で以下のような勇気がわいてくる言葉が書いてありました。
アイデアマンになるなどうかは後天的なものだと思ってます。年齢も関係ない。置かれた環境よりも、自分の意識の方が大事
常日頃からアイデアのヒントを探しているがどうかが重要で、アイデアマンになるのは英語などと同様「身につけられるスキル」とのこと。勇気が湧いてきますね。最後まで読んでみようと思ってしまいました。(まんまと乗せられているのか?
アイデアと企画の違い
「アイデアと企画」はイコールではない。あくまで企画の種となるものがアイデアだ。本書の中では以下のように書かれている。アイデアの種を探し、単なるアイデアから企画レベルに昇華させる。
”アイデアが企画になる。アイデアが企画としてまとめられる”
”アイデアは食材、企画という料理にする”
”アイデアをフィージビリティスタディしたのが企画。”
”企画は新しいアイデアばかりで構成されている必要はない”
あと冒頭でかかれていたのが「考える順番が大事」ということ。以下フレーズが素敵なフレーズだなと感じた。
ワガママなだけではダメだが、ワガママがないと良いアイデアは生まれない。うーん…深いっす。
”ワガママ→思いやりのステップを踏んでデザインする”
「思いやり」が無いと企画は実現(成立)しないし、ワガママ(強い意志)がなければツマラナイ企画しか生まれない。まさにその通り、絶妙なフレーズ。
目の前の課題にたいして、まず自分はどうしたいか?の思いがないと面白い企画はうまれない。会社の状況などから先に考えるようなアイデアは、つまらない内容になりがちだ。(結構、そんなことだらけじゃないですかね?日々の仕事。よくないですが。
ただ、逆にワガママなだけで終わるのは企画ではないってことですね。ちゃんとフィージビリティ確認しないと。
アイデアは既存の要素の組み合わせだ
作者の加藤さんも書かれてましたが、この言葉いいですね。楽になる。アイデアを考えるってものすごい発明をするような雰囲気になりがちですが、そんな必要はないんですよね。※以下は加藤さんが↑の文脈で参考として紹介されていた本。これもいつか読もう。
- 作者: ジャックフォスター,青島淑子
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/01/10
- メディア: 単行本
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”情報が入る→アイデアを拡げる→企画にまとめる。これが頭の動きの基本原則”
広げ方にもやり方がある、それがこの本のいうところの考具。
◼️アイデアを”出す”考具
カラーバス
注目する視点をいつもと違うジャンルにすると”幅が広がり新しい発見がある”。
そんな効果をカラーバスというらしいが、色の他、形、位置、音、匂い、手触りなどにも広げられる。信号待ちや、電車内、街を歩きながらなど何気なく過ぎる時間を有効なインプットの時間にするにはよい考具。ただ疲れそうなので短時間向きかも。
聞き耳をたてる
わざわざ考具と書くのか?と初め思ったが…ファミレス、カフェ、マクドナルドなど周囲の会話を聞いてみると確かにそんな考えもあるのか、と感じる時があるので有効な手段だな。あらためて。
ちょいメモ
あたまにあるものを外に出す作業が重要。紙切れでもいいので一度書いておくと後で引き出せる確率があがる。覚えておきやすくなるようだ。メモしよう、メモ!
7色いんこ
手塚治虫さんの漫画タイトルらしい。代役専用の役者の話。ようは”演じてみる”という話だ。スーパーの客になりきってみる。子供、お年寄りや競合他社のサービスをつかってみることも大事。
フォトリーディング
インプットの数を増やすにはフォトリーディングもあり。確かに普通に生活していたらインプットの絶対量は限られてくる。読む本の内容でだいたい4%〜11%程度しか自分にとって重要な内容はない…らしいと著者が書いていた。笑 それならガンガン数を読めるような速読系のスキルは大事。
- 作者: ポール R.シーリィ,神田昌典,井上久美
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2009/11/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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臨時新聞記者
実際に課題のある現場にいき、声を聞いてみる。中学生に説明できるレベルに。現場を知ると企画に”説得力”がでる!
地味にこれは大事だと思う。リアリティのないアイデアは面白いものもあるが、実現可能性は低いだろうし。課題感をリアルに聞き企画のフィージビリティ上げるにはこれ重要だ。
◼️アイデアを広げる考具
アイデアスケッチ
手書きのアイデアスケッチが良い。アイデアはタイトルだけ一行でok。企画の補足は2〜3行程度に。
マンダラート
3×3の9マスの枠。真ん中にテーマを書き、周囲の8マスに違う切り口、アイデアを書いて全て埋める。なかば無理やり引っ張り出すのが重要らしい。最初2、3個はでるが最後のほう絞り出したアイデアが大事。冒頭あったとおり、アイデアとは既存要素の組み合わせ。うまく頭の中からネタを引き出して新しいアイデアを生み出したいもんだ。
マインドマップ
マンダラートと似ているがより制約がなく展開拡散するのがマインドマップ。ポストイットで要素同士が結合し、新たなアイデアが生まれたようにアイデアのヒントになる言葉が一枚に凝縮されているのがメリット。フォトリーディングやカラーバスなどで頭の中に入れた情報整理にも推奨されているようだ。書き方で頭の働き方、思考のクセがわかる。数年前しばらく書いていたがやめてしまったな。。マインドマップについては別で調べてみよう。
アイデアスケッチ
アイデアスケッチをpcですることも考具。パワポにアイデアタイトル一行+3行補足。フォントにこだわる、一枚に一アイデア。手書きより自由度はさがるが実務での利用を考えると現実的かとも思ったり。実際会社で紙に絵を描いてゆっくり考えることまではやりにくいし。
連想ゲーム
他、芋づる式に発想を広げるための考具として ”連想ゲーム” も紹介されていた。マンダラートなど他ツールで発想を広げる際にも頭の中では実際 連想ゲーム とよく似た働きが起きているような。トレーニングにもなるかもしれないな。
オズボーンのチェックリスト 9ヶ条
頭の中にある情報、アイデアの要素を引き出すためのもの中心に書かれていたが、作業に行き詰まったら以下の ”オズボーンのチェックリスト 9ヶ条”が使えそうだ。 スマホ内にメモして、会議中や行き詰まった感があるタイミングでたまに見るようにしようかな。
転用したら?
応用したら?
変更したら?
拡大したら?
縮小したら?
代用したら?
置換したら?
逆転したら?
結合したら?
ブレインストーミング
自分の頭の中も限界がある。他人の力を借りるにはブレインストーミングも有効。批判は厳禁だがなかなかルール守られない、、確かに。上司がいるなど上下関係あると特に。第三者が入った場なら別だが日常職場内では難しいかなと思ってしまう。
うまくいくコツは、大量のアイデアが場を熱くするので、事前に考具でアイデアを大量にストックし、そのアイデアの束を持ち込むと良い、らしい。
- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 37人 クリック: 305回
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◼️アイデアを企画にまとめる
5w1h
中学英語でやった”5w1h” 。おなじみのアレですが企画にまとめるには実現可能性なども含めて検討しなければならないので、5w1hをチェックリストとして確認をするようにした方がよい。
魅力的なタイトルを
これも考具?と思いましたが、あらためてタイトルは重要!という話です。実現したい企画に何と名付ければ魅力的に伝わるか?
ビジュアライズ
これは実際にプレゼンする段階。あたりまえだが第一印象は超重要!プレゼン聞く人の想像力を呼び起こすためにもビジュアライズは意識して取り組む!中途半端なイメージ画像なら掲載しないほうがまし。テキストと口頭補足で。マンダラートや5w1hで企画全体を明確にしたら最後、企画書の作成〜清書!
著者は、アイデアマラソンを勧めていた。1日ひとつでもよいから継続!アイデアには通番を振ることが大事らしい。アイデアが枯れていない自信になるし、こんなに考えた!とモチベーション保てる、と。確かにそういう仕掛けをしないと折れてしまうな…。
本の末尾にあったが、
いま本を読み終わったあなたにとって最大の問題は、読んで、わかって、やらないこと。だ。
という一文がグサリとささった。まったくそのとおり。
フォトリーディングなどでもノウハウは明らかになっているのに何も行動しない人が99パーセントだとか。
フォトリーディングの著書いわく、だから継続しさえすれば成功しやすい。のだそうだ。やらないままの99パーセントに自分がなるのもしゃくなので、今回を良い機会に、考具を使ったアイデアマラソンを続けてみようと思う。
その他の「考具シリーズ」本や参考本。 以下の2冊も考具シリーズの本らしい。
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
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おしまい。